「エフェクターの使い方とコツ」 〜その1、クリップ系〜  

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 ■ 今回は、スタジオに来るBANDで最も良く聞かれるエフェクター。


   ディストーションとオーバードライブ、について解説しましょう。


 ■歪み系のエフェクター。


   ディストーション・オーバードライブ、それとファズ(Fuzz)。


   どれも、音を歪ませるためのエフェクターであることは、使ってみればわかると思います。


   では、これらはどのように違うのか???

   ことの起こりは、アンプのヴォリュームやトーン(トレブルやミドル、ベースなど)のツマミを

   全て「10」にして弾いたことから始まりました。


   俗に「フル・テン(10)」といわれますが、アンプの出力を最大にしたセッティングなわけ。

   ■例えば、自分の声を出す時のことを考えてみてください。


    普通に喋ってるときやヒソヒソ話の時は、それほど喉に負担はかかりませんね、

    でも、最大限に声を張り上げた場合はどうでしょうか?


    いわゆる、「ガナル」という状態になってガガガガー、って声が震えますね。

    しかも、ちょっと【濁った感じ】になる。


    電気信号的に言うと、「クリップ」している状態になります。

    押さえつけられているような感じ。

    「もう、コレ以上はでないよぉ〜〜。」みたいな風ですね。


    自分の声を出す最大出力を100Wと考えたとき、限界・・・、っていうより

    「限界を超えちゃってる」感じの声になる。


    通常の「ドライブ」状態よりも「オーバー」しちゃってる感じですね。

    これを、アンプへも同様に例えて、「オーバー・ドライブ」状態と言いました。

    
    英語で「OverDrive」というと「酷使」する。という意味なので、

    この名前になったのだとも言われています。


  ■当時は、真空管アンプ(チューブ・アンプ)を使うのが主流だったので、この

    オーバードライブ状態が作りやすかったとも言えます。

    トランジスタ(石系)アンプに比べて、クリップし易いんですね。

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 ■このオーバードライブ状態は、あくまでアンプから出てくる音、を基本に考えているから

   歪んでいる・濁っている、といってもアンプの回路を通って出てくる音なので歪み方にも

   限界はありますし、小さい音から順に大きくしていった感じなので温かみもあります。

   この音を電気信号的に解析して、「わざと」クリップするような回路を作った。

   そして、ヴォリュームを上げて大きな音にしなくても良いように(歪むように)しよう

   という目的で作られたエフェクターが出来ました。

   それが、「ディストーション」という新しい歪み系の音の形になっていったのです。


   アンプに頼らずに、思いっきり歪んでいる、わざと音を濁らせることのできる道具、なわけ。

   なので、小さい音でも十分に歪ませることができるし、アンプの回路に影響させないので

   エッジの効いた、金属的なサウンドを作り出すことも出来ます。


   今では、どちらの回路も電気的に再現できるようになったので、オーバードライブも

   ディストーションも、エフェクターとして売っているんですね。


   中には、当時の音を再現しようという意味で、「真空管(チューブ)」自体を組み込んだ

   チューブ・ディストーションやチューブ・オーバードライブといったエフェクターもあります。

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 ■おおざっぱに言って、

   オーバードライブは、やや温かみのあるナチュラルな歪み系の音。

    ギターから出てくる音にも忠実なので、楽器側のヴォリュームの大小やピックングの具合
    などで歪みの感じをコントロールできるし、コード弾きなどの時の和音も分りやすい。

   ディストーションは、金属系のエッジの効いた音。  
   
    元々、歪ませることを目的として人工的に作られているので、楽器側で音量をコントロール 
    しても、音が大きくなるか小さくなるかだけで、エフェクトの感じはあまり変わらない。

   というのが一般的だと思います。

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 ■もうひとつの特徴。


   風船をイメージしてください。


   机の上においた風船の上に、固い下敷きのようなものを乗せます。


   そして、その下敷きで風船を下につぶすように押します。

    と、どうなるでしょうか?

    ★風船は横に長く(伸びるように)なりますね。

   ■オーバードライブやディストーションを使うと、音がこのように変化します。


     ??????????


      さっぱりですね。。。。

     横に長くなる、というのはどうコトになるかと言うと。

    ★グラフにして考えましょう。


     縦軸を、音の大きさ(実際はちょっと違いますが・・・)

     横軸を、時間の推移とします。

     普通に音を出すと、音は放物線を描いて順番に大きくなって徐々に小さくなる。
   

     「クリップする」 というのは、この下敷きで音を潰す、という感じに近いです。


    そうなると、最初の音の立ち上がり(ピッキングした瞬間)は、ゼロからなので

    変わりはありませんが、横軸の時間の推移が伸びます。


    となると、自動的に音の減衰が遅くなって、結果、サスティーンが得られます。

    ある程度の音量を保ったまま、音を持続させることが出来る、というわけ。


  ゆっくりとしたギターソロなどを弾きたいときに、ちょっと薄めの歪みでこれらの

  エフェクターを使うと、音がポツポツ切れてしまうのを防ぐとこも出来きますね。

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 ■これらの特長を使って、本来の目的と違う使い方が出来る。


  最近は「ブースター」という専用のエフェクターもありますが、これは、ギターから

  出てきた音を、アンプにつなぐ前にもっと大きくしておこう、という目的で使います。


  まぁ、サウンドを骨太にしたりするのに便利なのですが、オーバードライブや

  ディストーションでもこのような使い方も出来ます。


  単純なツマミのエフェクターだと、「Drive又はGain」と「Output又はVolume」

  の2コのツマミになっています。
   (ToneやBoostなどがついて3コとか4コのもありますが)


 最初のは、いわゆる歪み方の大小を決める、後のは出力ですが、、、、、


  通常は、歪みを多くして、出力は真ん中かやや少なめにセッティングします。


  しかし、先のブーストを目的として、歪み方はやや少なめでもいいけど、

  骨太なサウンドにしたい場合に、


    ★歪みは少なくして、アウトプットを多めにする。


      という使い方をしているプレーヤーは意外と多いです。


   かくいう僕も、ギターを弾く場合はこのセッティングにすることの方が多い。


   「Gain」は、だいたい9時から10時の間くらい(時計の短針で例えます)

   「Out」が、1時から3時くらいのセッティングを好んで使っています。


   基本は、オーバードライブを使うのがほとんどです。


   そうすることで、歪ませたい・サスティーンをかせぎたい時は強いピックング。

   コード弾きや、ナチュラルな音を出したい時は、やや弱めのピッキング。

  
   そんな感じで使っています。

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  ■さて、最後にファズ。


   これは、もっと歪み系を重視したエフェクターになります。

   出したい音の倍音をもっと増幅させることを目的にして作られたものです。


   なので、先のオーバードライブやディストーションよりも「エグイ」音になる。

   ですから、これを使って和音・コードを弾くことはまず難しいと思っていいでしょう。

   ただし、パワー・コード(6弦と5弦だけ、5弦と4弦だけ)なら何とかなります。

   グランジサウンドなどを演るときには良いかもしれません。

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 ■いずれにせよ、自分がやりたいジャンルや出したいサウンドを考えた上で、

  どのエフェクターが最も適しているかを考えた上で選択することが重要です。   


  ただ、あまりに歪み系に走るがゆえに、2コも3コも連続で使うのは、あまり

  得策とは言えません。


  その場合は、ひとつは先に説明したように「ブースター」的に使って、

  ここ一発!の時や、ソロを弾く時にワンポイントで使うのが良いと思います。


 最近のエフェクターは、どれかの音(オーバードライブかディストーションか)に

 限らず、ツマミを調整することで幅広い歪み系のサウンドが得られるものもあるので

 実際に楽器屋で弾いてみたり、店員さんに相談したりしてみるもの良いでしょう。

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 【編集後記】


 ■往年のエフェクターが復活しました。

  
  その名も「オレンジ・スクイザー」

  ご存知の方もあるかと思いますが、僕が学生だった頃、名うてのプロミュージシャンが

  こぞって使っていたエフェクターです。


  真四角の小さい箱に、ジャックがくっ付いているだけの何とも使い勝手の悪いもの。

  大好きなストラトには、どうやっても使いに難くてしょうがいない(ってか、使えない)。


  しょうがないので、ソレを使うためにES−335やレスポールを買うはめに・・・・。


  ですが、その効果はバツグンで、コレを使って録音された音は、コレを使わなければ

  再生が出来ないほど「聴いただけで、オレンジ・スクイザーだっ!!」って分る代物。


  いわゆる、コンプレッサーなんですが、一時は猫も杓子も状態でしたねぇ。。。

  復刻モデル:
  ペダルタイプ:


  その、コンプレッサー、リミッターについては、また次回(か、その次)あたりで解説します。

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